前回の記事では、道路にまかれる融雪剤・凍結防止剤の仕組みや種類について解説しました。
今回はその続編として、家庭で安全にできる実験を紹介します。

前回の解説記事はコチラをご参照ください
身近な材料で、融雪剤、凍結防止剤の働きを目で見て体験できる内容です。
簡単で分かりやすい結果が期待できるので、是非お子さんと一緒におこなってみてください。
実験1:融雪剤の効果を確かめよう!
道路で使われる融雪剤・凍結防止剤には、
- 塩化ナトリウム(食塩)
- 塩化カルシウム
- 塩化マグネシウム
などがありますが、本当に雪(氷)を溶かす効果があるのでしょうか。
今回の実験では氷に上記の薬品をかけ、通常の水をかけた氷と比較して効果を検証します!
用意するもの
- 氷(製氷皿で作ったものでOK)
- 食塩(塩化ナトリウム)
- にがり(塩化マグネシウム)
- 除湿剤の粒(塩化カルシウム)
※手で触りすぎないように注意 - 水
- お皿・スプーン
- ストップウォッチ(スマホでOK)


家庭でも簡単に準備ができるもので実験しました
実験の手順
● 1. 氷を皿に並べる
4つの皿に、同じ大きさの氷を1つずつ置きます。
● 2. あらかじめ準備したそれぞれ同量の薬品をスプーンでふりかける
- 皿A:食塩
- 皿B:にがり
- 皿C:除湿剤の粒
- 皿D:何もふりかけない(比較用)
● 3. 皿の氷に少量の水をかける(皿A~Dすべてにかける)

● 4. 溶ける様子を観察する
- 何も薬品をかけていない氷と、薬品をかけた氷の溶け方に違いがあるかどうか
- 水が出てくるスピードはどうか
などを観察し、時間を測ります。
● 5. 結果を記録する
実験1の結果


結果:薬剤+水の氷は、水のみの氷に比べ、溶けるスピードが速かった(10分ほどで溶けてしまった)
理由:凝固点降下により凍る温度が下がり、氷が溶けやすくなったため
実験をさらに楽しむためのアレンジ
● 1. 氷の大きさを変えてみる
大きい氷と小さい氷で、溶けるスピードはどう変わるか。
● 2. 氷の上に色水をかける
溶ける様子が視覚的にわかりやすくなります。
● 3. 外の気温が低い日に、屋外でやってみる
冬の屋外で実験すると、道路の状況により近い環境になります。
今回は室内(室温20℃)の環境で実験しました。
実験2:凍結防止剤の効果を確かめよう!
実験1では氷に薬品をふりかけて、氷が溶けるスピードが変わるか調査を行いました。
次は先ほど氷を溶かしたできた、薬品入りの水を用いて、凍結防止剤の効果を検証してみましょう。
用意するもの
- 実験1で生成された、薬剤が添加された水(皿A~C)
- 水のみが入ったお皿(結果比較のため)
- ラップ
- 冷凍庫
実験の手順
● 1. 水+薬剤が入った皿A~C、および、水のみの皿Dにラップを張り、冷凍庫に入れる
- 皿A:食塩(塩化ナトリウム)入り水
- 皿B:にがり(塩化マグネシウム)入り水
- 皿C:除湿剤(塩化カルシウム)入り水
- 皿D:水のみ
● 2. 数時間後、状態を確認する。
● 3. 結果を記録する
実験2の結果

結果:薬剤が添加された水は、冷凍庫に入れ2時間が経過しても、完全に氷にならない。といった結果になりました。
・食塩(塩化カルシウム)添加⇒完全に液体のまま
・にがり(塩化マグネシウム)添加⇒ミゾレ状
・除湿剤(塩化カルシウム)添加⇒ミゾレ状
・水のみ⇒完全に固体(氷)になった
理由:凝固点降下により凍る温度が下がったため

本来であれば、塩化カルシウム、塩化マグネシウムを添加した水も凍らないはずですが、除湿剤やにがりは純粋な薬剤ではないため、成分量の違いが結果に影響した可能性があります。
実験の注意点
- 塩化カルシウム(除湿剤)は手で触りすぎないよう注意
- 実験後はしっかり手を洗う
- 小さなお子さんと行う場合は、大人が見守る
- 室内で行う場合は、溶けた水がこぼれないように注意
- 実験に使用したお皿・スプーンはきれいに洗う
まとめ:科学は身近なところにある
今回の実験では、道路で使われる融雪剤・凍結防止剤の働きを、家庭で再現してみました。
氷が溶けるスピードの違い、および水が凍りにくくなる作用は、凝固点降下と薬品の化学反応によるものです。
前半の解説編と合わせて読むことで、「冬の道路の安全を支える技術」がより身近に感じられるはずです。
皆様もぜひ、暮らしの中の科学に触れてみてください

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