年末が近づくと家のお掃除について考える機会が増えてきますね。
一年間、毎日利用している我が家のキッチンも油汚れがひどく、本腰を入れてお掃除する必要がありました。
我が家は小さな子供&犬がいるため、薬品・洗剤を利用したお掃除が難しいという事情があり、なんとかナチュラルクリーニングで綺麗にする方法を調べた結果、「アルカリ電解水」を利用するお掃除に行きつきました。
本記事では、「アルカリ電解水」の正体から掃除に使える仕組み、そして利用する際の注意点まで、科学の目でわかりやすく解説します。
アルカリ電解水ってどんな物質?
化学的プロフィール
- 水に微量の電解質(炭酸カリウムや塩化ナトリウムなど)を加えて電気分解することで生成される
※電解質とは、電気を通しやすくするために用いられる物質のことです - pH11〜13の強アルカリ性の水溶液
- 成分のほとんどが水で、界面活性剤や香料などの化学物質は含まれていない
構造と掃除に関係する機能
電気分解によって水中のOH⁻(水酸化物イオン)が増加し、アルカリ性が強まり、高pHのアルカリ水となります。
油脂やタンパク質を分解・乳化する力を持ち、汚れを浮かせて落としやすくします。

天然由来と用途
- 原料は水と電解質のみ
- 環境負荷が少なく、無臭・低刺激であるため、家庭用から業務用まで幅広く使われている
- ペット用品や赤ちゃんのおもちゃにも安心して使える
掃除に使われる理由
有効な汚れの種類
- 油汚れ(コンロ・換気扇)
- 皮脂汚れ(床・ドアノブ)
- タンパク質汚れ(食べ物のこびりつき)
これらは酸性の汚れで、アルカリ性の電解水が中和・分解して除去します。
前の記事で紹介しました重曹水(pH約8程度)と比較すると、アルカリ電解水のpHは11~13と高いため、油汚れにも効果的です。
主な作用メカニズム
- 乳化作用:油を水と混ざりやすくする
- タンパク質の変性:汚れを浮かせる → タンパク質の構造をもろくする効果
- 静電気防止:再付着を防ぐ
- 除菌・消臭:菌や臭いの元を分解する
アルカリ電解水の作り方と使い方
基本レシピ
残念ながら、アルカリ電解水を家庭で生成することは難しく、市販品を使うのが一般的です。
水を電気分解する専用の機械、装置が必要となります。
使用例
| 使用場所 | 汚れの種類 | 使用方法のポイント |
|---|---|---|
| コンロ・換気扇 | 油汚れ | スプレーして数分置き、布で拭き取る |
| 冷蔵庫内 | 食品のこぼれ・臭い | 食品に触れないように注意して拭き掃除 |
| フローリング | 皮脂・手垢 | 水拭き不要だが、素材によってはテスト推奨 |
| テーブル・窓 | 手垢・ホコリ | 拭き跡が残らないように乾拭き仕上げ |
| ペット用品 | 臭い・菌 | 無臭で安心。使用後は乾かしてから使用 |
| おもちゃ類 | 手垢・除菌 | 赤ちゃん用でも使えるが水拭き推奨 |
注意点と使えない場所
| 項目 | 内容・理由 |
|---|---|
| アルミ・銅製品 | 腐食の恐れがあるため使用不可 |
| 革製品・白木 | 変色や質感の変化が起こる可能性あり |
| 液晶画面・精密機器 | 表面コーティングを傷める可能性あり |
| 手荒れ対策 | 高pHのため、長時間使用時は手袋着用推奨 |
| 水拭きの必要性 | 通常不要だが、食品周り・高濃度製品・大量使用時は水拭き推奨 |
| 保管方法 | 空気や光に触れることで効果が低下するため、遮光・密閉容器で保管 |
| 電解質による違い | 塩化ナトリウム系は腐食性・塩素臭に注意。 炭酸カリウム系は安全性が高く家庭向き |
電解質の違いによる注意点
便利なアルカリ電解水ですが、電解質の違いにより以下のような注意点もあります。
事前に製品の成分表をよく見て、ご注意ください。
| 電解質の種類 | 特徴と注意点 |
|---|---|
| 塩化ナトリウム(NaCl) | 食塩を使った電解で、除菌力の高い酸性水も生成される。 注意点: 金属を腐食させやすく、塩素ガスが発生する恐れがあるため換気が必要。 |
| 炭酸カリウム(K₂CO₃) | 食品添加物にも使われる安全性の高い電解質。 注意点: 塩素を含まず、金属や樹脂にも比較的安心して使えるが、価格がやや高め。 |
選び方のポイント
- 家庭用や赤ちゃん・ペット用品には炭酸カリウム系が安心
- 値段を気にする場合は塩化ナトリウム系のほうが安い。腐食や塩素臭には注意が必要
まとめ
アルカリ電解水は、水なのに油汚れや臭いに強く、環境にも人にも優しいお掃除アイテムです。
家庭での作成はできませんが、安いものであれば100均でも手に入れることができるので是非お試しください!
pHの高さを活かした分解作用で酸性の汚れにとても効果的ですが、電解質の違いによる特徴にはご注意ください。
掃除はただの作業ではなく、★化学の力を活かした“ミニ実験”★でもあります。
汚れの性質を知り、適切な方法を選ぶことで、より効率的で安全な掃除が可能になります。
ぜひ、日常の中で万能なアルカリ電解水を正しく使って、快適なお掃除ライフを始めてみてください!
参考文献
- アルカリ性電解水による金属表面の洗浄(2003, 竹ノ内ら)
- 殺菌作用を有する電解水3種の物理化学的性質と保存性(2000, 柏木ら)


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