12月が間近となり、夜中の冷え込みが厳しくなってきました。
暖房のスイッチをONにして寝たいところですが、お部屋の乾燥が気になってしまいますね。
そんな時に頼りになるのが「加湿器」。乾燥した空気に潤いを与えてくれます。
しかしこの「加湿器」、意識して日々お手入れをしないと、深刻な健康被害を引き起こす可能性があります。
自分自身、家族の健康を守るためにも、必要な知識を身に着けていきましょう。
今回は加湿器のお手入れについて、前半・後半に分けて解説してきます。
まず前半では加湿器の種類とその特徴、および汚れについて身近な科学の目線でふれていきます。
加湿器の種類と特徴
加湿器は大きく4つの種類に分けることができます。
それぞれ特徴が異なる為、ひとつずつ確認していきましょう。
超音波式
水を細かい振動で霧にして飛ばすタイプ。
メリット：
・静か
・電気代が安い
・水が熱くならないため、安全性が高い
・デザインが豊富
デメリット：
・水の中の雑菌やミネラルがそのまま飛散するため、日々のお手入れが必須
・加湿器周辺がぬれたり、結露しやすい
スチーム式（加熱式）
ヒーターで水を沸騰させて蒸気を出すタイプ。
メリット：
・水を沸騰させるため、菌が繁殖しづらく衛生的
・加湿力が強い
デメリット：
・電気代が高め
・吹出口が熱いのでやけどに注意
・タンク内にカルキが付着しやすい
気化式
フィルターに水を含ませ、風を当てて自然に蒸発させるタイプ。
メリット：
・電気代が安い
・水が熱くならないため、安全性が高い
・余剰に加湿がされないため、結露しにくい
デメリット：
・加湿力は弱め
・フィルターにカビが生えやすい
・ファン音が気になってしまう
ハイブリッド式
加熱＋超音波、加熱＋気化などを組み合わせたタイプ。
モデルにもよるが、それぞれのタイプの良いところ、悪いところを併せ持っている
メリット：
・加湿力と衛生面のバランスが良い
デメリット：
・価格が高め
・衛生面が不十分な場合もある
特徴まとめ表
種類ごとの特徴をまとめてみました。
それぞれメリット・デメリットがあるため、自身の生活にあった種類を選ぶ必要があります。
私の個人的なおすすめは、ハイブリッド式（加熱+超音波）です。
| 種類 | ランニングコスト | 加湿力 | 衛生力 | 安全性 |
|---|---|---|---|---|
| 超音波式 | ◎ 電気代が安い | ○ 中程度 | △ 雑菌が繁殖しやすい | ◎ 熱を使わず安全 |
| スチーム式（加熱式） | △ 電気代が高い | ◎ 強力 | ◎ 加熱で衛生的 | △ 吹出口が熱く注意 |
| 気化式 | ◎ 電気代が安い | △ 弱め | △フィルターにカビが生えやすい | ◎ 熱を使わず安全 |
| ハイブリッド式 | ○ やや高め | 〇 強い | ○ バランス良い | 〇 安全性も比較的高い |
加湿器にたまる「汚れ」の正体
次に加湿器の汚れについて解説します。
加湿器を使っていると、タンクやトレイに白い粉やぬめり、黒い汚れが出てきます。
これらの汚れをため込んでしまうと、加湿時を動かすことで空気中に汚れが拡散され、健康被害が出てしまいます。
汚れの種類
- 水垢（カルキ）：水道水に含まれるカルシウムやマグネシウムが蒸発後に残ったもの。タンクなどに白く固まって現れます。
- ぬめり（バイオフィルム）：水の中の微生物がミネラルなどを餌として繁殖して作る膜。レジオネラ菌などの細菌も繁殖します。
- カビ：湿った環境に胞子が定着し、フィルターやタンクに黒っぽい汚れとして現れます。
汚れを防ぐために
加湿器の汚れは日常のちょっとした工夫で、軽減することができます。
以下のポイントを習慣にすると、雑菌やカビの繁殖を大幅に減らせます。
水は毎回捨てる：
タンクの水を入れっぱなしにすると雑菌が繁殖します。
使用後は必ず捨てて、タンクを乾燥させましょう。
必ず水道水を利用する：
水道水には塩素等が含まれるため、細菌などの繁殖を防ぐ効果があります。
蒸留水などを利用すると、菌が多く繁殖してしまうため、必ず水道水を利用しましょう。
毎日すすぐ：
タンクを軽く水でゆすぐだけでも、ぬめりの原因となる微生物を減らせます。
定期的に洗浄する：
洗浄することで、ぬめりや水垢を落とし、汚れを予防することができます。
フィルターを天日干しする：
気化式やハイブリッド式ではフィルターのカビ対策が重要です。定期的に天日干しして、乾燥させましょう。
特に「水を毎回捨てること」は雑菌の繁殖を防ぐ最もシンプルで効果的な方法です。
後半の記事では、これらの汚れをため込まないためにも、定期的なお掃除の方法を具体的に説明します。
まとめ（前半）
加湿器には 超音波式・スチーム式・気化式・ハイブリッド式 があり、それぞれメリット・デメリットがあります。
また加湿器の種類にもよりますが、水垢やぬめり・細菌、カビなどの汚れがたまりやすく、汚れた加湿器を利用したことによる健康被害に注意する必要があります。
それぞれの加湿器の加湿方法も、汚れ発生のメカニズムも、科学の目線で改めて考えると違った発見がありますね。
次回（後半）は、加湿器の汚れをどう落とすか、具体的なお掃除方法を科学の目線で紹介します。
コメント